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遺贈寄付に込められた思いを研究の場に還元し、未来を変える力へと変えてゆく/日本IDDMネットワーク

認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワーク

小児期に発症することが多い、"不治の病"1型糖尿病。生涯にわたって毎日4~5日の注射、又はポンプによるインスリン補充が欠かせない原因不明の病です。日本IDDMネットワークは1995年に1型糖尿病の当事者家族により立ち上げられた団体です。寄付を通じて、研究など社会を変える取り組みの支援を長年行ってきました。近年遺贈寄付の取り組みも始め、寄付者の名前を関した冠基金なども設立しています。1995年の設立以来、団体とともに走り続けてきた、共同代表であり理事長を務める岩永幸三氏に話をうかがいました。

(取材日2023922日)

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理事長:岩永様
2000年から佐賀で本部事務局を担い、2023年4月から代表。
日本IDDMネットワークのファンドレイザー。
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目次:

1.活動の積み重ねが、多くの人に届いてきたという実感

___まずは、この活動を始められた経緯からお聞かせいただけますか。

 

私の娘が3歳で発症した当時は、地域の患者家族会というものはまだなかったんです。当時の主治医が、同じ病気を抱える患者・家族と話をする場を設けてくださって。そのことで、発症と同時に抱えていた絶望的な気持ちに光が差すというか、私たち家族はとても救われたんです。

そのご恩返しにというか、恩送りというか。そのような思いで、同じような想いの患者・家族に届けばと活動を始めました。

___30年という長い年月活動されてきて感じていらっしゃる変化はありますか


30
年前には、「治る病気にする」ということを語ることはできない時代でした。

けれど、医学や研究の進歩とともに「治る病気にできるんだ」という希望を語ることができるようになってきた。そのことは、本当に大きな変化だと思います。

けれど、30年を経ても変わらない部分もあります。

例えば、「希望のバッグ」を受け取られる方は、発症したばかりで絶望を抱えている方たちがほとんどです。その、発症当初の絶望感は、いまも昔も変わらないと思います。

数年前に、あるイベントで子どもたちに「もし病気が治ったら」というテーマでメッセージを書いてもらったことがあるんです。

そうしたら「チックン(注射のこと)をしないでも、好きなものを好きなだけ食べたい」とか「ソフトクリームにトッピングをしたい」とか食べることに関してのメッセージが多く集まって。医学はだいぶ進歩して、「治る病気にする」と語れる時代になっても、1型糖尿病とともに生きる子どもたちの願いも、私の娘が発症した30年前と同じだということに気が付きました。

子どもたちの想いを目の当たりにして、やっぱり早く「治る」という地点に到達できるように、活動を続けていかなければいけない、と思いました。

その人それぞれの希望や生活スタイルに合った、多様な治療の選択肢を用意できるようにしたい。私たちの取り組みは、一朝一夕にすぐ結果の出るものではなく、時間がかかるものですが、だからこそ、息の長い活動をみなさんとご一緒できるのではないかとも思います。

ここ最近感じる1番大きな変化としては、インターネット上での寄付が普及し、また、ふるさと納税など様々な入口を通じて、当事者でも医療者でもない方が、私たちや1型糖尿病のことを知り、応援してくださるような広がりが生まれていることです。

出会いと支援の広がりに深く感謝するとともに、ご寄付くださるみなさまへの説明責任をしっかり果たしていかなくては、と、身の引き締まる思いでおります。

2.遺贈寄付がきっかけで見えた、今後の課題

____活動する中で、寄付の間口も広がってきたのですね。近年取り組まれている、遺贈寄付についてお聞きします。印象に残っているケースなどはありますか。

 

この病気の当事者の方で、数十年来のお付き合いがある方のケースです。

お元気なころにはイベントにも参加してくださって。お年を召されてからは、お手紙やお電話を頂いたり、時にはお電話でお悩みを1時間近く伺うこともありました。

丁寧に対話を重ねる中で私たちのことを深く信頼してくださり、最終的には遺贈寄付という形で、全財産を託していただきました。

お気持ちをしっかり継承したく、「林文子基金」という冠基金を設立し、研究への助成や活動の運営費に活用させていただきます。

実は、林さんとお話をする中で、私たちも多くの課題に気づくことができました。

例えば、現在、看護師などの医療職が常駐していない老人介護施設で、介護士がインスリン注射をすることはできません。そのため、自分でインスリンを打てなくなると、施設を退去しなければならないという現実があります。林さんもよくその不安を口にされていました。

患者が高齢化する中、そう言った不安の中で孤立しないようにしていきたい。

林さんからお話を伺ったことで、私たちも介護士がインスリン注射をできるよう政策要望をしたり、また、そんな不安な思いを若い世代の患者と交流しながら話すことのできる場づくりなどの整備を始めるきっかけになりました。

私たちの活動は、もともと当事者活動として立ち上がっています。

社会を変えたい、現状を変えたいと思った時に、当事者自身が何も動かないのでは、何も変わらない、と、思うからです。小児期で発症することが多いため、新規の患者さんやそのご家族の多くは若い世代です。

一方で、医療の進化とともに寿命が延び、患者の高齢化も進んでいますので、患者同士が、世代を超えて、交流しながら支え合い、ひいては、みなが生きやすい社会に変えていく力になるような活動に、今後もっと取り組んでいきたいと思っています。そのきっかけを頂いたことに、とても感謝しています。

3.遺贈寄付に興味を持っている方へのメッセージ

____遺贈寄付へのご興味をお持ちの方へのメッセージをお願いいたします。

 

活動に関心をお持ちいただき、ありがとうございます。

ご寄付などを通して、「治る病気にしてください」など、さまざまな想いやメッセージを頂いています。そういった、みなさまからの声に日々、奮起し、活動のエネルギーとしています。以前、とある知事の方が「1割の職員が変われば、県庁は大きく変わる」とおっしゃっていたのですが、本当にそうだと思うのです。私たちの活動でいえば、全国に10万から14万の患者がいると言われる中、その1割が意識を持って活動していくことで、社会に対して大きな変化を起こすことができるのではないか、と。

現状、まだ到達できていないのですが、年間1万人から14千人の患者や家族という当事者が、寄付も含めて私たちの活動に関わってくれるようになれば、もっと大きなムーブメントになり、社会の側からも振り向いてもらえるのではないか、そう思っています。

ですので、当事者の方には、特に、寄付だけでなく、イベントへの参加や会員登録など様々な形で活動に関わっていただき、いま患者や家族が抱える多様な悩みを解決するプロセスを一緒に歩んでいただきたい。それぞれの、自分ができる形で、ぜひ伴走してもらいたい、そう思っています。

当事者以外の寄付者の方には、みなさまからの寄付が世界を変えるための大きな力になっているということを、あらためて、感謝の気持ちとともにお伝えしたいと思います。

この世界から、1型糖尿病で苦しむ人たちがいなくなるという最終ゴール。

そんなゴールに向かう「夢」を一緒にみる仲間として、末永く伴走いただけたら嬉しいです。

特に遺贈寄付など、寄付者の方の想いにそった基金を設立頂いた方には、丁寧にその後の関りも編みながらお付き合いをさせていただいています。寄付を頂いた責任として、みなさまの想いを真摯に受け止め、掲げている目標の達成に向けてこれからも活動を続けてまいります。

一人でも多くの方に、私たちの活動に共感していただき、応援いただければ嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

4.寄付の使い道

日本IDDMネットワークは、インスリン補充が必要な患者とその家族一人ひとりが希望を持って生きられる社会を実現することを目指し活動しています。
お寄せいただいたご寄付は、研究支援、1型・2型糖尿病患者向けの「希望のバッグ」プロジェクトや、各種イベント・セミナーの開催、政策要望活動など、日本IDDMネットワークの様々な事業に活用させていただきます。

https://japan-iddm.net/support/result/

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【2023年6月時点のこれまで研究支援】
https://japan-iddm.net/wp-content/uploads/pdf/iddmhakusho2023_all.pdf より、


また、当法人では、1型糖尿病の根絶(=治療+根治+予防)に向けた研究を加速させるため、“冠基金”を設立し、基金の名前や金額、助成対象などを自由に決められる、寄付者の方の思いに合ったプログラムを随時募集しています。
このプログラムは、特定の研究目的のための寄付を頂戴し、その目的にそった研究を行う研究者・研究機関へ研究費の支援を行うものです。
故人を含めて寄付者の方々の思いを形にして残すことができ、不治の病の根絶と言う社会変革への“参加”を寄付という形で後世に伝えることもできます。


遺贈寄付について
https://japan-iddm.net/support/fund/devise/

5.団体紹介

・団体名

認定特定非営利活動法人 日本IDDMネットワーク

・所在地 

840-0854 佐賀県佐賀市八戸二丁目1番27-2

・代表者

理事長 :井上龍夫 患者家族 / 理事長(共同代表):岩永幸三 患者家族

 ・設立年

1995

・受賞歴
2017
3月 第1回佐賀さいこう表彰「協働部門」

2015年2月 第11回日本パートナーシップ大賞グランプリ

 

ビジョン

インスリン補充が必須な患者とその家族一人ひとりが希望を持って生きられる社会を

実現することを目指します。

 

ミッション

当面の目指すゴールは1型糖尿病を「治らない」病気から「治る」病気にすることですが、究極の目標は”1型糖尿病の根絶(=治療+根治+予防)”です。

 

【活動概要】

ビジョンとミッション実現のための3つの約束

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  • <<救う>>~患者と家族のみなさんに積み上げてきた経験を還元します~

発症間もない患者・家族に必要な情報を詰めた「希望のバッグ」の送付や毎日の相談対応。低血糖(血糖値が下がりすぎて、意識を失ってしまうことがあります)を知らせてくれる『低血糖アラート犬』の養成。難病指定、介護職員によるインスリン注射の合法化などを求める政策要望などに取り組んでいます。「希望のバック」送付プロジェクトの開始は2014年。発症後間もない中、患者・家族のみなさんが抱く不安を少しでも和らげ、病気に立ち向かうための知識や情報をまとめたツールをお届けしています。2024年中には累計で5,000個を超える見込みです。受け取った人からは多くの感謝の声を頂いています。並行して、高齢の患者さんたちが社会の中で孤立をしないようなサポートも。高齢患者の話しを若い世代の患者がきく、お話会など交流の場づくりにも今後力を入れていく予定です。

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    • <<つなぐ>> ~過去から未来へ、そして今関係する人と場をつないでゆく~

    患者・家族・研究者・医療者・企業・行政・そして社会をつないでいきます。医療者と患者・家族がともに学ぶセミナーの開催や、IDDM白書の発行などにも取り組んでいます。

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        • <<解決する>>~研究促進のため、研究費を助成~
          1型糖尿病根絶への道を開くため、情熱をもって真摯に研究を続ける研究に助成を行い、研究をサポートしています。また、その他にも、医療者と患者・家族が語り合うサイエンス・フォーラムの開催などにも取り組んでいます。2024年1月までの研究支援の総額は、累計で8億566万円。2025年に1型糖尿病を「治る」病にする医療の実現のため、「根治」の研究支援に重点を置きつつも、患者からの期待が高い「治療」の分野、未来に向け、これから発症する患者をなくすための「予防」の分野の支援にも力を入れています。

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